トラブル対応マニュアル(操作ペンダントにGT2505HSまたはGT1450HSを使用の機種の場合)
*GT2505HS,GT1450HS以外の操作ペンダント使用のロボットにつきましては、当社提出の取扱説明書を御確認ください。
*他社製ロボットにつきましては、各メーカーの取扱説明書を御確認ください。
◆ロボットが通常通り動作しない場合の対処の参考にしてください。
このマニュアルを読まれるにあたり、あらかじめ当社提出の取扱説明書を熟読されることをお勧めいたします。
以下の表を参考に、現象にあった対応説明の項目を参照してください
| 現象(ロボット本体) | 対応説明記載番号 | 
|---|---|
| 電源ランプ・運転準備ランプが点灯しない | ① | 
| 運転準備ランプが点灯しない(アラームが発生する) | ② | 
| 操作ペンダント画面の【BAT】ランプが点滅する | ③ | 
| 自動運転の起動できない | ④ | 
| 自動運転中に【運転中】を表示した状態で停止する | ⑤ | 
| 自動運転中に【停止中】を表示した状態で停止する | ⑥ | 
| 【ハードストロークリミット】のアラームが発生する | ⑦ | 
| 【絶対値消失】のアラームが発生する サーボ軸の原点初期化が必要 | ⑧ | 
| 自動運転でストッカー等からワークを取っていかない | ⑨ | 
| 自動運転中にアームの移動速度が遅い | ⑩ | 
| 補機の動作が遅い(エアー式の場合) | ⑪ | 
| ハンドのツカミが悪い | ⑫ | 
| 自動運転でチャッキングミスとなり、停止してしまう | ⑬ | 
| 【圧力異常】アラームが発生する | ⑭ | 
| 自動運転の起動をかける際に【フェンス異常】アラームが発生する | ⑮ | 
①制御盤の電源ランプ、運転準備ランプがどちらも点灯しない
- 制御盤の電源遮断器がOFFになっていないか確認してください。
- 電源切ボタンが引っ込んだままになっていないか確認してください。
- 電源線が外れていないか確認してください。
②電源ランプは点灯しているが、運転準備ランプが点灯しない
- 通常アラームが表示されますので、[アラーム]画面のアラームコード番号と内容表示を確認し、当社提出済みの取扱説明書のアラームの項(またはこのマニュアルの付録F,G,Hのエラーコード表、ワーニングコード表)の対処法をお試しください。なおアラーム画面の[軸1~4]にエラー、ワーニングが表示される場合はサーボ系の故障ですので、対処法が分らない場合は三菱電機技術相談窓口(tel:052-712-6607)へお問合せください。また三菱製品の修理を希望する場合は三菱電機システムサービス(株)(tel:052-722-7601)にご依頼ください。
- タッチパネルにアラームが表示されない、またはタッチパネルの操作ができない場合は、シーケンサーのCPUにERRランプが点灯していないか確認します。(正常時はRUNランプ点灯、ERRランプ消灯です)ERRが点灯している場合はバッテリー切れ等でシーケンサーのプログラムが消滅している可能性が高いので、バッテリーを交換しバックアッププログラムをリストアしてください。(付録A[GT2505HS-GOT、GT1450HS-GOT操作ペンダントでのPLC及びGOTデータのバックアップとリストアの手順]を参照ください)
- タッチパネルの電源ランプが点灯しない場合はDC24V電源の電圧がドロップしている可能性がありますので、電圧を確認し電圧がドロップしている場合は電圧ドロップの原因を除去します。(DC24V電源の故障、光電スイッチ等のセンサーの故障、配線ショート等が考えられます)
③操作ペンダントの【BAT】(バッテリー)警告ランプが点滅する
④自動運転の初期起動ができない
- 「自動運転」画面の 〔実行ステップ〕欄の表示が800になっている場合はロボットが原点位置ではありませんので[原点復帰]ボタンを押してください。自動で800ステップ以降のプログラムを実行して、原点復帰し〔実行ステップ〕欄の表示が00001に変われば自動起動できます。(原点復帰する場合はロボットと他の機器との干渉が無いことを確認してから実行してください。また[原点復帰]ボタンで戻せない場合は、手動運転で各々原点へ戻してください)
⑤自動運転中に【運転中】を表示した状態で停止する
- 停止したステップのコード命令が動作命令である場合は、その動作が完全に動ききっていない、または動作確認のセンサーがオンしていないことが考えられますので、手動でその動作の動きと確認センサーの状態、ソレノイドバルブの作動不良等を確認してください。
 サーボ動作の場合で「指令速度設定エラー」が発生する場合は、そのポイントデータの速度指定が0になっているので、正規の速度に書き換えてください。
- 停止したステップのコード命令がウェイト命令あるいはジャンプ命令の場合は、歩進条件あるいはジャンプの条件が揃っていませんので、停止したステップのMコード(シーケンサーのデバイスM900~M999に対応)の条件の確認をしてください。Mコードの条件は提出済み自動プログラムシートの停止ステップのコメントまたはMコード表を参考にしてください。(ステップ番号がループしている場合は何らかの条件ジャンプの条件を待っている状態です。一時停止ボタンを押して表示されたステップの前後の条件を確認してください)
 自動プログラムについては、【付録Eの自動運転の読み解き方】を参照ください。
動作命令で停止
 
    ウェイト命令で停止
 
    *GT1450HS-GOT操作ペンダントの場合は画面表示が上図とは一部異なります
⑦サーボ軸が動作範囲内であるのに【ハードウェアストロークリッミト】のアラームになる
- オーバートラベルセンサーは常時ON状態が正常なのですが、センサーの故障などでOFFの状態になっている可能性があります。
 通常近接スイッチが使われていますので、近接スイッチのLEDランプが点灯していなければ近接スイッチを交換してください。断線している場合は断線を修理してください。なおオーバートラベルセンサーが感知(OFF)状態の場合は「手動運転」(サーボ)画面の軸選択キー下の➤記号が点灯することでも確認できます。
⑧サーボ軸の原点初期化(【絶対値消失】アラームの場合)
- 以下の場合で、サーボモータ各軸の原点がずれたり【絶対値消失】のエラーが発生した場合は、原点の初期化を行う必要があります。
 【絶対値消失】のエラーを解除するには、一度電源を落とし再度電源を投入してから[アラーム]画面の[リセット]キーを押してください。- モーターの交換
- 減速機の交換
- モーターのケーブル交換(または一時的に外した場合)
- サーボアンプのバッテリー切れで絶対値を消失した場合
 ■原点の初期化手順 - 電源を投入し、原点を初期化したいサーボ軸を[手動運転]画面にて原点側のオーバートラベルのアラームになるまで、速度5/secのスピードで動かします。
- オーバートラベルのアラームになったら、[アラーム]画面にて[リセット]キーを押してアラームを解除してください。
- [手動運転]画面に戻して、原点書込みしたい軸の現在値を確認し、その現在値よりも、900プラスした位置まで手動で移動させます。
- [メニュー]画面の[その他]モードを選択し、セキュリティレベル変更画面のパスワード入力欄に11111111を入力し、セキュリティレベルの設定を行います。([原点書込み]画面はセキュリティレベル11111111以上で表示されます)
- [メニュー]画面から[原点書込み]画面にし、原点書込みしたい軸の[書込]キーと[Fun]操作スイッチを同時押しします。原点アドレスと現在値表示の表示値が同じになれば原点書込み(原点の初期化)は完了です。
 
⑨自動運転でストッカー等からワークを取っていかない
- 光電センサー等でワークが正しく認識されていない可能性があります。
 センサーの位置を確認し、正しく反応するよう調整してください。
 ワークを安定して感知している状態では、受光機側のセンサーに緑のLED表示灯が点灯します。(PZ-G51Nの場合)
 センサーが故障の場合は交換してください。
⑩自動運転中のアーム動作が遅い
- 自動運転のオーバーライド設定が小さくなりすぎている場合は、自動運転の画面のオーバーライドを適切な値に設定してください。
- 位置速度設定画面で設定した指定速度が遅い場合、再度、位置速度設定画面にて該当ポイントの速度値を大きな値に変更します。
⑪補機の動作が遅い(エアー式の場合)
- エアーシリンダ動作が遅く補機の動作が遅い場合、スピコンのノブを左に回し、エアーの抜けを多くします。または、スピコンを交換してください。
- エアー圧が低くなっていないか確認してください。
- エアーシリンダが古くなってくると動作が遅くなる場合があります。その場合はエアーシリンダを交換してください。
⑫ハンドのツカミが悪い、ワークを落とす
- ハンドのツメ・アテ板が摩耗・変形しているとワークのツカミが悪くなります摩耗・変形している場合は、部品交換する等の対応を行ってください。
- エアー圧が低くなっていないか確認してください。
- ワークを掴む位置としてティーチングした位置が適切か確認してください。
 適切でない場合、再度ティーチングし直してください。
⑬自動運転でチャッキングミスとなり、停止してしまう
- チャッキングする位置としてティーチングした位置が適切か確認してください。
 適切でない場合、再度ティーチングし直してください。
- 供給確認センサーが取付けてある場合、供給した際に供給確認センサーがONするようにドグの位置を調整してください。
⑭【圧力異常】アラームが発生する
- 圧力スイッチの設定圧以下にエアー圧が落ちていないか確認してください。エアーブローの時間が長過ぎるとエアードロップすることがあります。(一瞬ドロップしただけでもアラームになります)その他に制御盤側面に取付けられたレギュレータの設定、圧力スイッチの不具合、エアー元圧側のホース等を確認してください。(エアー圧が設定圧以上であれば圧力スイッチの赤色LEDランプが点灯します)
⑯ロータリーテーブルが回らない
- シーケンサーのロータリーテーブル回転出力を確認し、出力がONであれば、モーター、インバーター、マグネットスイッチ等を確認します。
 出力がOFFであれば、パレットの位置決めノックの戻側確認センサーがONしていること、リフト下確認センサーがONしていることを確認します。
 状況に応じて部品交換、調整修理を行ってください。
⑰パレット停止位置がずれる
- パレット停止近接スイッチを確認する。
- 操作ペンダントのパラメーター画面でロータリー停止タイマーを変更してみる。
- チェーンの緩み、チェーンのパレット取り付け部のアタッチメントの変形、パレットのキャスターの不具合、パレットのワーク位置決め治具の不具合等を確認してください。
⑱ワークが有るのにワーク無しになる
- 光電センサー等でワークが正しく認識されていない可能性があります。
 センサーの位置を確認し、正しく反応するよう調整してください。
 ワークを安定して感知している状態では、受光機側のセンサーに緑のLED表示灯が点灯します。(PZ-G51Nの場合)
 センサーが故障の場合は交換してください。
付録
付録A ◆万一のロボットプログラム消失に備えプログラムデーターをバックアップしておかれることをお勧めいたします
操作ペンダントにGT2505HSまたはGT1450HSを使用の機種であれば、PLC(シーケンサー)及び操作ペンダントGT2505HS,GT1450HSのプログラムデーターのバックアップをSDカードに保存できます。
万一のデータ消失に備え、下記の付録A(1)【GT2505HS-GOT(操作ペンダント)でのPLC及びGOTデータのバックアップとリストアの手順】あるいは、付録A(2)【GT1450HS-GOT(操作ペンダント)でのPLC及びGOTデータのバックアップとリストアの手順】を参照いただき、あらかじめプログラムデーターをバックアップしておかれることを、お勧めいたします。
なお、プログラムデーターのバックアップ及びリストア作業において誤った操作を行うと、不具合が発生する可能性があります。作業は手順を十分理解いただいたうえで、自己責任で行ってください。特にリストア作業を行う場合は、正しいバックアップデーターか十分ご確認のうえ実施してください。
作業に不安がある場合は、三菱電機技術相談窓口(052-712-2417)にお問い合わせください。また三菱電機システムサービス(052-722-7601)に作業を依頼することも可能です。
上記のGT2505HS,GT1450HS以外の操作ペンダントを使用したロボット機種をお使いのユーザー様におかれましては、当社にて据付時のバックアップデーターを提供(有料)できる場合もございますので、ご希望の場合はお問合せください。
付録A(1) GT2505HS-GOT(操作ペンダント)でのPLC及びGOTデータのバックアップとリストアの手順
SDカードの準備
GOT上部のカバーを開けてSDカードを入れます(SDカードは32GB以下のものをパソコンでフォーマットしてご使用ください。またシーケンサーと操作ペンダントのバックアップを取られる場合は別々にSDカードを準備ください)
アクセススイッチをON側にし、緑ランプが点灯することを確認してください。
緑ランプが点灯しない場合はGOTの電源を再投入してください。
※SDカードを取り外すときはアクセススイッチをOFF側にし緑ランプが消灯してから取り外してください。SDカードを押し込めば外せるようになります。

PLC(シーケンサプログラム)のバックアップ
タッチパネル右上端を音がするまで長押しし離し[ユーティリティーメインメニュー]画面を表示させます。
[データ管理]タブ内の[バックアップリストア機能]を選択します。
[バックアップ機能(機器→GOT)]を選択します。
[バックアップを実施します。]と表示されるので[OK]を押します。
Statusにバックアップ中の点滅表示がされるのでしばらく待ちます。
[バックアップ処理が完了しました。]と表示されるので[OK]を押します。
右下の[終了]を押します。
※シンプルモーションユニット(サーボ係)のデータはバックアップされません。

GOT(操作ペンダントプログラム)のバックアップ
シーケンサーのプログラムをバックアップしたSDカードとは別のSDカードを操作ペンダントに挿入し、アクセススイッチをONにしアクセスランプを点灯させてください。ランプが点灯しない場合はGOTの電源を再投入してください。
タッチパネル右上端を音がするまで長押しし離し[ユーティリティーメインメニュー]画面を表示させます。
[データ管理]タブ内の[バックアップリストア機能]を選択します。
[GOTデータ一括取得機能]を選択します。
[A:標準SDカード]をタッチし反転させ[コピー]を押します。
[コピーしますか?]と表示されるので[OK]を押します。
[本当に実行しますか?]と表示されるので[OK]を押します。
[コピーが完了しました。]と表示されるまで待ち[OK]を押します。
右上の[×]を押します。
バックアップは以上で終了す。万一のプログラム消失に備え、SDカードを保管ください。

PLCのリストア(シーケンサープログラムの復旧)
データをバックアップしたSDカードをGOTに挿入し、アクセススイッチをONにし緑ランプが点灯することを確認してください。緑ランプが点灯しない場合は、GOTの電源を再投入してください。
タッチパネル右上端を音がするまで長押しし離し[ユーティリティーメインメニュー]画面を表示させます。
[データ管理]タブ内の[バックアップリストア機能]を選択します。
[リストア機能(GOT→機器)]を選択します。
リストアするデータを選択します。
リストア先のユニットを(Q00UCPU)選択します。(黒丸にします)
[実行]を押します。
[リストアを実施します。]と表示されるので[OK]を押します。
[ファイルレジスタをリストアしますか?]と表示されるので[Yes]を押します。
Statusにリストア中の点滅表示がされるのでしばらく待ちます。
[リストア処理が完了しました。]と表示されるので[OK]を押します。
右下の[終了]を押します。
PLCの電源を再投入します。

GOTのリストア(操作ペンダントプログラムの復旧)
GOTの電源を切りタッチパネル右下端を押しながら電源を入れます。
[インストールを実行してもよろしいですか?]と表示されるので[OK]を押します。
[インストール実行中]と表示されるのでしばらく待ちます。
[インストールが完了しました。]と表示されるので[OK]を押します。
*1) 不明な点がありましたら、三菱電機技術相談窓口(tel:052-712-2417)にお問合せください。
付録A(2) GT1450HS-GOT(操作ペンダント)でのPLC及びGOTデータのバックアップとリストアの手順
※シーケンサーQ00UCPUは機能バージョンB以降のものがバックアップ/リストアできます。(バージョンはCPU側面のシリアル番号の末尾に記載)
SDカードの準備
GOT上部のカバーを開けてSDカードを入れます。(SDカードは32GB以下のものをパソコンでフォーマットしてお使いください。またシーケンサーと操作ペンダントのバックアップを取られる場合は別々にSDカードを準備ください)
アクセススイッチをON側にし、ランプが点灯することを確認してください。
ランプが点灯しない場合はGOTの電源を再投入してください。
※SDカードを取り外すときはアクセススイッチをOFF側にしランプが消灯してから取り外してください。SDカードを押し込めば外せるようになります。

PLC(シーケンサプログラム)のバックアップ
タッチパネル右上端を音がするまで長押しし離し[メインメニュー]画面を表示させます。
[保全機能・自己診断]→[保全機能]→[バックアップ/リストア]を選択します。
[バックアップ機能(機器→GOT)]を選択します。
以下 画面の指示に従ってバックアップ処理を完了させます。
※シンプルモーションユニット(サーボ系)のデータはバックアップされません。

GOT(操作ペンダントプログラム)のバックアップ
シーケンサーのプログラムをバックアップしたSDカードとは別のSDカードを操作ペンダントに挿入し、アクセススイッチをONにしアクセスランプを点灯させてください。ランプが点灯しない場合はGOTの電源を再投入してください。
タッチパネル右上端を音がするまで長押しし離し[メインメニュー]画面を表示させます。
[プログラム/データ管理]→[GOTデータ一括取得機能]を選択します。
[A:標準SDカード]をタッチし反転させ[コピー]を押します。
以下 画面の指示に従って[コピー]を完了させます。
以上でバックアップは終了です。

PLCのリストア(シーケンサープログラムの復旧)
シーケンサープログラムをバックアップ済のSDカードを操作ペンダントに挿入し、アクセススイッチをONにし、アクセスランプを点灯させてください。ランプが点灯しない場合はGOTの電源を再投入してください。
タッチパネル右上端を音がするまで長押しし離し[メインメニュー]を表示させます。
[保全機能・自己診断]→[保全機能]→[バックアップ/リストア]を選択します。
[リストア機能(GOT→機器)]を選択します。
リストアするデータを選択します。
リストア先のユニット(Q00UCPU)を選択します。(黒丸にします)
[実行]を押します。
Statusにリストア中の表示がされるのでしばらく待ちます。
リストアが終了したらPLCの電源を再投入します。

GOT(操作ペンダントプログラム)のバックアップ
操作ペンダントプログラムをバックアップ済のSDカードを操作ペンダントに挿入し、アクセススイッチをONにし、アクセスランプを点灯させてください。ランプが点灯しない場合はGOTの電源を再投入してください。
GOTの電源を切りタッチパネル左上端を押しながら電源を入れます。
以下 画面の指示に従って[インストール]を完了させます。
* 不明な点がありましたら、三菱電機技術相談窓口(052-712-2417)にお問合せください。
付録C 多軸サーボアンプ用 MR-BAT6V1の交換手順
- (1)「自動運転画面」のBATランプが点灯したら、BATランプにタッチし、どのBATが低下しているかを確認し、サーボアンプのBAT低下であれば以下の手順でバッテリー(MR-BAT6V1)を交換して下さい。
- (2)制御盤の電源はオンの状態で非常停止ボタンを押し、運転準備ランプが消灯した状態にします。
- (3)ケースの分解
 MR-BAT6VCASEは組み上がった状態で出荷されます。このため、MR-BAT6V1を装着する場合、一度分解する必要があります。(MR-BT6VCASEの取付位置は提出済の取扱説明書【2】-(2)制御盤内部の配置図を参照下さい。)
 ①中継ケーブルのコネクターを取外します。
 ②ケース全体を制御盤本体より2箇所の取付ネジを外し取出して下さい。
 ③2箇所のネジをプラスドライバーで外し、フタを外して下さい。
  
- (4)MR-BAT6V1の装着
  MR-BAT6V1をBAT1ホルダに確実に装着して下さい。BAT1ホルダに装着したMR-BAT6V1の MR-BAT6V1をBAT1ホルダに確実に装着して下さい。BAT1ホルダに装着したMR-BAT6V1の
 コネクターをCON1に挿入して下さい。
 このとき“カチッ”と音がすることを確認して下さい。
 コネクターは刺さる方向が決まっています。
 刺さらない方向でムリに挿し込むとコネクターを破損します。
 MR-BAT6V1のリード線をリード線収納用の溝に格納して下さい。
 同様の手順でBAT2~BAT5の順番で、装着してある数だけホルダにMR-BAT6V1を装着して下さい。
  
付録E 自動プログラムの読み解き方
- (1)自動プログラムの構成
 ロボットの自動運転は1~999ステップの自動プログラムに書かれた自動コード
 命令に従って順次実行します。
| ステップ | 内 容 | 
|---|---|
| 1~799 | 通常のユーザープログラムエリア | 
| 800~830 | 自動原点復帰プログラムエリア | 
| 831~999 | メーカー使用エリア | 
- (2)自動プログラム作成例
 次の動作フローのプログラム例を以下に示します。
 使用するコードは「自動コード一覧表」参照。

- 注1)位置データ・速度データはサーボ動作命令コード(1~600)と同じ位置番号に設定します。
- 注2) 位置データの単位は、×0.1mm(直行軸)/ ×0.01度(旋回軸)
自動コード一覧表1
| コード | 動 作 | 備 考 | 
|---|---|---|
| 00 | NOP | |
| 42* | ハンド0° | *0の時はセンサーによる確認動作 1~9の時はタイマーによる動作数値の大きいほどタイマー値大 注)この欄のコード、動作は各ユーザー様毎に提出された取扱説明書をご確認ください。 | 
| 43* | ハンド90° | |
| 44* | ハンド180° | |
| 45* | ハンド270° | |
| 46* | 取出しハンド開 | |
| 47* | 取出しハンド閉 | |
| 48* | 供給ハンド開 | |
| 49* | 供給ハンド閉 | |
| 1▲▲▲ | 1軸動作命令 | 1軸の▲▲▲位置データ番号(1~600)に設定されたポイントへ移動します。 | 
| 2### | 2軸動作命令 | 2軸の###位置データ番号(1~600)に設定されたポイントへ移動します。 | 
| 3◆◆◆ | 3軸動作命令 | 3軸の◆◆◆位置データ番号(1~600)に設定されたポイントへ移動します。 | 
| 6■■■ | 4軸動作命令 | 4軸の■■■位置データ番号(1~600)に設定されたポイントへ移動します。 | 
| 990 | プログラムエンド | この命令を実行しますと、プログラムの先頭(アドレス)へ戻ります。 | 
| 999 | プログラム最終エンド | 自動プログラムの最終アドレスに必ず記入します。この命令コード以降のアドレスはデータ領域となります。 | 
| 50** | トルク制限 1軸 | **0~99% 0を入れると既定値(300%) | 
| 51** | トルク制限 2軸 | |
| 52** | トルク制限 3軸 | |
| 56** | トルク制限 4軸 | |
| 53** | オーバーライド1軸 | **0~99% 0を入れると100% | 
| 54** | オーバーライド2軸 | |
| 55** | オーバーライド3軸 | |
| 57** | オーバーライド4軸 | 
自動コード一覧表2
| コード | 動 作 | 備 考 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1**** | 同時動作 | ****はコード(5桁目に1を指定すると次の動作命令と同時に動作を始めます) | ||||||
| 42** | 正条件ジャンプ | **は条件(正論理) ジャンプ先は次のアドレスにジャンプ先コードを用いて指示する。 | ||||||
| 43** | 負条件ジャンプ | **は条件(負論理) ジャンプ先は次のアドレスにジャンプ先コードを用いて指示する。 | ||||||
| 40** | ジャンプ先 | ジャンプ先を指示するコード **は、1~60 | ||||||
| 41** | ジャンプエンド | ジャンプ命令により、本コードのアドレスへジャンプする。 **は、1~60 使用例 
 
 | ||||||
| 44** | ウェイト | **は条件 | ||||||
| 45** | セット | **の出力(内部、外部)をセット | ||||||
| 46** | リセット | **の出力(内部、外部)をリセット | ||||||
| 47** | タイマー | (**)×0.1秒 | ||||||
| 48** | タイマーチェック | 直前の命令の完了と、タイムアップの論理ORで歩進 タイムアップで歩進した場合は、条件NO.98をONする。 | 
付録F ◆一般的な動作エラーコード表
◇動作エラーコード表◇
| アラーム コード | アラーム名 | 内 容 | 
|---|---|---|
| 2 | 文法エラー | 自動プログラムでエンド命令(999)がない時 ジャンプ命令でジャンプ先に対応するジャンプエンドがない時 | 
| 3 | キースイッチ無効 | ティーチングペンダントのキースイッチが無効に切換わっている | 
| 4 | 非常停止 | 非常停止ボタンが押されている | 
| 5 | 位置決めタイムアウト | サーボの位置決めが時間内に完了しなかった | 
| 12 | 駆動マグネットOFF | 駆動マグネットがOFFした時シーケンサ入力(xB)がOFF | 
| 17 | 圧力異常 | エアー圧力が設定値以下になった時 | 
| 18 | フェンス異常 | フェンスの入力がOFFになった時 | 
| 30 | ロータリーインバータ異常 | |
| 91 | 軸1サーボ異常 | 軸1異常の時 | 
| 92 | 軸2サーボ異常 | 軸2異常の時 | 
| 93 | 軸3サーボ異常 | 軸3異常の時 | 
| 94 | 軸4サーボ異常 | 軸4異常の時 | 
注)この表は一般的なエラーコード表ですので具体的には各ユーザー様に提出された取扱説明書でご確認ください。
付録Gサーボエラーコード表1
| エラー コード | エラー名 | 内容 | 
|---|---|---|
| 001 | フォルト | ハードウェア異常 | 
| 002 | 内部回路異常 | ハードウェア異常 | 
| 101 | 運転中シーケンサレディOFF | 運転中にシーケンサレディ信号がOFFした | 
| 102 | サーボレディOFF | 運転中にサーボレディ信号がOFFした | 
| 104 | ハードウェアストロークリミット+ | 
 | 
| 105 | ハードウェアストロークリミット- | 
 | 
| 106 | 始動時停止信号ON | 停止信号がONの状態で始動要求を行った | 
| 107 | BUSY中シーケンサ レディOFF→ON | BUSY信号がONの状態でシーケンサレディ信号をOFF→ONした | 
| 108 | 始動不可 | 始動不可の軸動作状態で始動要求を行った | 
| 210 | 原点復帰零点未通過 | 原点復帰時、零点を通過していない | 
| 507 | ソフトウェアストロークリミット+ | 
 | 
| 508 | ソフトウェアストロークリミット- | 
 | 
| 522 | 指令速度設定範囲外 | 指令速度が設定範囲外になっている | 
| 537 | シーケンサレディOFF始動 | シーケンサレディ信号がOFFのときに位置決め始動を行った | 
| 538 | 準備完了OFF始動 | 準備完了信号がOFFのときに位置決め始動を行った | 
サーボエラーコード表2
| エラー コード | エラー名 | 内容 | 
|---|---|---|
| 547 | 原点復帰未完時始動 | 原点復帰未完時動作設定時、原点復帰要求ONで位置決め始動を行った | 
| 801 | フラッシュROMライトエラー | フラッシュROMに書き込めない | 
| 802 | フラッシュROM サムチェックエラー | フラッシュROMに書込み途中に電源OFFになった | 
| 803 | シーケンサCPUエラー | シーケンサCPUがエラーになった | 
| 805 | フラッシュROM 書込み回数エラー | シーケンスプログラム上から連続25回を超えるフラッシュROM書き込みをした | 
| 1201 | 原点データ不正 | 
 | 
| 1205 | SSCNET通信異常 | サーボアンプから受信したデータが異常である | 
| 2000 | サーボエラー | サーボアンプにアラームが発生した | 
| 2999 | ステッピングドライバウォッチドグ | CPU、部品異常 | 
| 2010 | 不足電圧 | 
 | 
| 2011 | スイッチ設定異常 | 
 | 
| 2012 | メモリ異常1(RAM) | RAM異常 | 
| 2013 | クロック異常 | 制御クロック異常 | 
| 2014 | 制御処理異常 | 制御処理異常 | 
| 2015 | メモリ異常2(EEP-ROM) | 
 | 
| 2016 | エンコーダ初期通信異常1 | エンコーダ初期通信異常 | 
サーボエラーコード表3
| エラー コード | エラー名 | 内容 | 
|---|---|---|
| 2017 | 基盤異常 | 基盤異常 | 
| 2019 | メモリ異常3(Flash-ROM) | Flash-ROM異常 | 
| 2020 | エンコーダ通常通信異常1 | エンコーダ通常通信受信データ/送信データ異常 | 
| 2021 | エンコーダ通常通信異常2 | 
 | 
| 2024 | 主回路異常 | 地絡検出 | 
| 2025 | 絶対位置消失 | エンコーダ絶対位置消失 | 
| 2027 | 初期磁極検出異常 | 初期磁極検出異常 | 
| 2028 | リニアエンコーダ異常 | リニアエンコーダ異常 | 
| 2030 | 回生異常 | 回生異常 | 
| 2031 | 過速度 | モータ回転速度異常 | 
| 2032 | 過電流 | 過電流検出 | 
| 2033 | 過電圧 | 主回路電圧異常 | 
| 2034 | SSCNET受信異常1 | 
 | 
| 2035 | 指令周波数異常 | 指令周波数異常 | 
| 2036 | SSCNET受信異常2 | 断続的な通信データ異常 | 
| 2037 | パラメータ異常 | パラメータ異常 | 
| 2042 | サーボ制御異常 | サーボ制御異常 | 
| 2045 | 主回路素子加熱 | 主回路素子温度異常 | 
| 2046 | サーボモータ過熱 | サーボモータ温度異常 | 
| 2047 | 冷却ファン異常 | 冷却ファン停止異常/回転速度低下異常 | 
| 2050 | 過負荷1 | 過負荷サーマル異常 | 
| 2051 | 過負荷2 | 過負荷サーマル異常 | 
| 2052 | 誤差過大 | 溜まりパルス過大 | 
| 2054 | 発振検知 | 発振検知異常 | 
| 2056 | 強制停止異常 | 
 | 
| 2060 | サーボモータ組合せ異常 | サーボモータ組合せ異常 | 
| 2061 | リニアエンコーダ異常1 | リニアエンコーダ異常 | 
| 2063 | エンコーダ初期通信異常2 | エンコーダ故障 | 
サーボエラーコード表4
| エラー コード | エラー名 | 内容 | 
|---|---|---|
| 2064 | エンコーダ初期通信異常3 | エンコーダ未対応 | 
| 2082 | マスタスレーブ運転異常1 | マスタスレーブ運転異常 | 
| 2913 | エンコーダカウンタ異常 | エンコーダカウンタ異常 | 
| 2918 | 突入電力抑制回路異常 | 突入電力抑制異常 | 
| 2922 | 運転モード異常 | 運転モード異常 | 
付録Hワーニングコード表1
| ワーニング コード | ワーニング名 | 内容 | 
|---|---|---|
| 100 | 運転中始動 | 軸BUSY中に始動要求を行った | 
| 104 | 再始動不可 | 軸動作状態が軸停止中以外のときに再始動指令を行った | 
| 109 | BUSY中ティーチング | 軸BUSY中にティーチング要求があった | 
| 110 | 最低速度未満 | オーバーライドをかけた速度が0になる | 
| 111 | シーケンサレディ中 | シーケンサレディON中にフラッシュROMへの書き込み要求があった | 
| 112 | オーバーライド値不正 | オーバーライド値に設定範囲外の値が設定された | 
| 113 | トルク変更値範囲外 | トルク変更値ががトルク制限設定値を超えている | 
| 114 | バイアス速度未満 | 指令速度が始動時バイアス速度未満 | 
| 301 | JOG速度制限値 | JOG始動時にJOG速度がJOG速度制限値を超えている | 
| 401 | 手動バルサ入力倍率範囲外 | 手動バルサ1パルス入力倍率が0または10001以上もしくは負の値に設定されている | 
| 500 | 減速・停止速度変更 | 減速停止中に速度変更要求があった | 
| 501 | 速度制限値オーバー | 位置決め運転の始動時/再始動時、または位置決め運転中の速度変更時に設定速度が速度制限値を超えている | 
| 509 | 残距離不足 | 速度変更要求時に残距離が速度変更に必要な距離より小さい | 
| 513 | 移動量不足 | 自動減速するのに必要な移動量がない | 
| 514 | 指令速度範囲外 | 運転中の速度変更時に速度の変更値が設定範囲外 | 
| 2100 | サーボワーニング | サーボアンプでワーニングが発生した | 
| 2101 | サーボアンプ過熱警告 | 主回路素子過熱警告 | 
| 2102 | バッテリ断線警告 | 
 | 
| 2106 | 原点セットミス警告 | 原点セットミス警告 | 
| 2116 | バッテリ警告 | 
 | 
| 2140 | 過回生警告 | 過回生警告 | 
| 2141 | 過負荷警告1 | 過負荷サーマル警告 | 
| 2142 | サーボモータ過熱警告 | サーボモータ温度警告 | 
ワーニングコード表2
| ワーニング コード | ワーニング名 | 内容 | 
|---|---|---|
| 2143 | 絶対位置カウンタ警告 | 絶対位置カウンタ警告 | 
| 2144 | パラメータ警告 | パラメータ設定範囲異常警告 | 
| 2146 | サーボ強制停止警告 | 強制停止警告 | 
| 2147 | コントローラ緊急停止警告 | コントローラ緊急停止警告 | 
| 2148 | 冷却ファン回転速度低下警告 | 
 | 
| 2149 | 主回路オフ警告 | 主回路オフ警告 | 
| 2151 | 他軸異常警告 | 他軸異常警告 | 
| 2152 | 過負荷警告2 | 過負荷警告2 | 
| 2153 | 出力ワットオーバー警告 | 出力ワットオーバー警告 | 
| 2160 | タフドライブ警告 | タフドライブ中警告 | 
| 2162 | ドライブレコーダ書込みミス警告 | ドライブレコーダ書込みミス警告 | 
| 2163 | 発振検知警告 | 発振検知警告 | 
| 2955 | 誤差過大警告 | 溜まりパルス過大警告 | 
| 2956 | コンバータ警告 | コンバータユニット警告 | 
付録I 消耗品機器一覧表
| 部品名 | 型式 | メーカー | 備考 | 
|---|---|---|---|
| Qシーケンサーバッテリー | Q6BAT | 三菱電機(株) | QCPU | 
| Aシーケンサーバッテリー | A6BAT | 三菱電機(株) | A1SHCPU | 
| J4サーボアンプバッテリー | MR-BAT6V1 | 三菱電機(株) | MR-J4-*** | 
| J2サーボアンプバッテリー | A6BAT | 三菱電機(株) | MR-J2S-** | 
| 光電センサー | PZ-G51N | (株)キーエンス | ワーク感知 | 
| 近接スイッチM12m NO | FL7M-3J6HD | アズビル(株) | |
| 近接スイッチM12m NC | FL7M-3K6H | アズビル(株) | |
| 近接スイッチM8m NO | FL7M-2J6HD | アズビル(株) | |
| 近接スイッチM8m NC | Fl7M-2K6H | アズビル(株) | |
| ソレノイドバルブ | 4KA129-M5-D20-DC24V | CKD(株) | |
| フィルターレギュレータ | W3000-8-W-F | CKD(株) | |
| 減圧弁 | R1100-8-W | CKD(株) | |
| 圧力スイッチ | APS-6D-W | CKD(株) | |
| リリーフ弁 | AP-100 | SMC(株) | |
| 制御リレー | MY2(4)-D2 DC24V | オムロン | DC24V | 
| 制御リレー | MY2 AC200/220 | オムロン | AC200/220V | 
付録J 問い合わせ先一覧
| 対象機種 | 会社名 | 電話番号 | |
|---|---|---|---|
| ACサーボ シンプルモーション | HG-KR, MR-J4 HC-MFS, MR-J2S QD77MS* A1SD75 | 三菱電機技術相談 | 052-712-6607 | 
| 三菱電機システムサービス (修理依頼) | 052-722-7601 | ||
| シーケンサー | Qシリーズ Aシリーズ | 三菱電機技術相談 | 052-711-5111 | 
| 三菱電機システムサービス (修理依頼) | 052-722-7601 | ||
| 操作ペンダント | GT1150、GT1450 GT2505 | 三菱電機技術相談 | 052-712-2417 | 
| 三菱電機システムサービス (修理依頼) | 052-722-7601 | ||
| エアー機器 | CKD株式会社 | 0120-771-060 | |
| エアー機器 | SMC株式会社 | 0120-837-838 | |
| 光電センサー | PZ-G51N | 株式会社キーエンス | 0120-100-470 | 
| 近接スイッチ | FL7M-**** | アズビル株式会社 | 050-1807-3520 | 
| 三菱電機特約店 | 三菱電機システムサービスへの修理取次 | ダイドー株式会社 または最寄りの三菱電機代理店 | 052-213-2610 (*** *** ****) | 
| THK代理店 | ダイドー株式会社 | 052-213-2610 | 
 
                    


